Ｔ薬局は都内の大病院前の門前薬局です。病院前には４件の門前薬局が並んでいますが、Ｔ薬局はその中で最も古くから営業を続けている薬局で、個人オーナーの薬局ならではの丁寧な対応で多くの患者さんに支持されていました。Ｋ薬局以外はいずれも中堅・中小のチェーン薬局が運営している店舗となっており、唯一Ｋ薬局だけが、個人経営の薬局となっていました。

　Ｔ社長（非薬剤師）が６０歳という節目の年を迎えるにあたって、今後の調剤報酬改定への対応を考えると、Ｔ薬局を譲渡して規模の大きなチェーン薬局に運営を任せることが最善ではないかとお考えになり、当社に薬局譲渡のご相談を頂いたのでした。

　処方箋単価が高いため売上は２億後半となっており大手でも検討の俎上にのる薬局であったため、Ｔ社長のご希望に沿って大手調剤薬局チェーンから中小・中堅チェーンまで幅広くお声掛けしました。Ｔ社長は金額面の条件に大きなこだわりはなく、長年二人三脚で薬局を支えてきてくれた管理薬剤師をはじめスタッフの皆が安心してくれる相手に譲渡することを第一にお考えでした。

　是非当社で譲り受けたいという候補先企業数社から意向表明書を受領後、有力候補先数社とのトップ面談を経て、Ｔ社長の出した結論は規模的にはまだ最も小さいチェーン薬局のＫ社でした。Ｋ社は都内の大病院前に薬局を数店舗展開しており、Ｔ薬局の運営も上手に行ってくれるのではという期待があったことと、大手と違って柔軟性がありそうといったことに加え、トップ面談の際のＫ社社長の誠実な人柄と薬局経営にかける熱意が伝わったことが、大きかったように思います。

　Ｔ社長の協力的な姿勢とＫ社の柔軟な対応のおかげもあり、譲渡実行までのステップも円滑に進み、この度無事に譲渡が完了しました。