Ｍ薬局は都内で医療法人を営んでいるドクターの奥様（非薬剤師）が経営されていた整形外科がメインの処方元の調剤薬局です。数年前に知り合いから頼まれて引き継いだ薬局でしたが、収支的には利益がほとんど出ていない状況でした。薬剤師の採用も思うようにいかず、管理薬剤師も６０代前半で６５歳には退職したいという希望があるとのことでした。

　そういう状況ですから、近い将来また新たな薬剤師を確保して、今後も継続運営をしていくことは困難と判断され、Ｍ＆Ａによる譲渡を決断されたのでした。

　足元の業績は収支トントンではありましたが、医療機関の入居しているビルは他に歯科医院なども入っており、空きテナントに医療機関を誘致することができれば業績は大幅に改善する可能性がありました。

　候補先となりそうな独立開業希望の薬剤師などに打診を行ったところ、Ｍ薬局と同じ市内で調剤薬局を２店舗運営している薬局オーナーが、ちょうど小規模でもよいので薬局を買いたいという意向をお持ちであり、ご自身のドクターとのネットワークの中で将来的に医療機関の誘致の可能性も感じられたため、譲り受けたいという話になり、諸条件の調整を経てこの度無事に譲渡が完了しました。