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事例紹介

事例紹介

M&A成約事例42 調剤薬局のM&A(事業譲渡)が成約いたしました。

M薬局の概要

業種
調剤薬局
年商
1億3000万
従業員数
-名
所在地
福島県

S社の概要

業種
調剤薬局チェーン
年商
200億円
従業員数
-名
所在地
埼玉県

 M薬局は70代前半のM社長(薬剤師)と公務員を定年後にお店のお手伝いをされているご主人、そしてOTC部門を担当しているご子息(登録販売者)で運営してきた薬局です。薬局開設は1969年ですから、実に半世紀近く営業を続け、地域に貢献されてきたことになります。2002年に処方元の小児科が開院してからは調剤売上が毎年少しずつ増え、調剤併設型の面対応薬局として今日に至っています。

 OTC部門はドラッグストアに無いものを中心とした品揃えを行うなど差別化を図っておられましたが、近隣に競合店となるドラッグストアが出店した影響もあって、年々売上は減少を続けており、事業部門としては赤字となっていました。一方調剤部門は好調で、調剤部門の収益でOTC部門のマイナスをカバーし、会社全体としては収支トントンといった状況でした。

 M社長がご高齢となる中、薬局を継続していくため、代わりとなる管理薬剤師の確保が大きな課題になっていました。薬局をどのような形で残していくのか、家族会議の結果、薬局を譲渡して、賃貸する方向で進めようということになり、実現可能なのかどうかアドバイスが欲しいということで当社にご連絡を頂いたのでした。

 東日本大震災や原発事故の影響を受けた地域でもあったため、承継候補先探しは当初の想定よりもかなり難航しました。(メディアによる風評被害の大きさが感じられました。)
 また、そんな中で勤務薬剤師から親の介護のため退職願いが出て、M社長に大きな負担がかかることになりました。心労からかご主人が病気で倒れて入院される等、短期間で様々な問題が発生しました。

 総じて反応が芳しくない中、県内に店舗を持ち、積極的なM&Aで業容を拡大しているS社が興味を示してくれました。条件面での合意出来ればすぐに薬剤師を派遣してくれるという話になり、ほどなく薬剤師の派遣を受けいれ、退職する勤務薬剤師の代替人員を確保することができました。

 K社長はご高齢ではあるものの働けるうちは働いていたいとお考えであり、買い手としても大変有り難い申し出であったため、譲渡後も勤務薬剤師として引き続き薬局に勤務しておられます。

 最近のM&Aでは薬局譲渡=退職(リタイア)ということは必ずしもなくなっています。ご希望があれば、そのまま継続勤務することも可能です。また昨今の薬剤師採用難の状況から譲渡側の薬剤師もこれまで以上に大切にしてもらえるケースが増えてきています。