Ｒ社（譲渡企業）は首都圏において高齢者専用賃貸住宅の運営をしている会社です。Ｒ社は運送会社Ｋ社の子会社であり、Ｋ社が元々所有していた社宅を有効活用するため、高齢者用賃貸住宅に改装し、事業運営を行っていました。ただ特に優れた運営ノウハウを持っているわけではないことから、事業としてはなかなか軌道に乗らず、Ｋ社は事業の選択と集中のため、R社の譲渡を検討していました。

数社への打診の結果、有力な買い手候補としてI社が浮上しました。I社も教育関連の事業を主業とする会社で、R社の事業とは関連性のない会社でした。
I社の経営課題は現状の若年者層向けのサービスだけでは、先細りが明らかであり、別世代へのサービス展開を模索していました。そこで今回のＭ＆Ａにより、高齢者向けの新規事業に円滑な進出したいという目論見を持っていました。

Ｒ社のお話しをさせていただいてから、I社は事業規模も小さく取り組みやすいこともあり、非常に前向きに検討を進めていただき概ね順調にＭ＆Ａが成約に至りました。これはＲ社の方々の誠実な対応から互いに信頼関係が構築されたことも大きな要因でした。Ｉ社の資金力や人的な支援を得て、今後はＲ社もＩ社グループの一員として成長していくことと思われます。

現在、介護福祉関連事業をはじめとした高齢者向けのサービス業は参入したい企業が増えております。本件のように規模の大小にかかわらず譲り受けを検討する企業も数多くございますので、業績が芳しくないといった理由でも譲渡できる可能性があります。譲渡をご検討されている方は、是非、ご一報いただければと思います。

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