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M&Aコンサルタント竹内の調剤薬局ウォッチング

調剤薬局M&Aのトレンド2018

2018年。生き残りをかけた戦いの幕が切って落とされる。~調剤薬局業界の現状とM&Aトレンドの考察~

過当競争が進む調剤薬局業界

全国の薬局数は約5万8,000店。5万5,000店と言われるコンビニエンスストアよりも数が多くなっています。医薬分業の進展で右肩上がりの成長を続け、市場規模は7兆円超となっていますが、分業率は70%超に達しており、出店余地は限られてきています。

そのため大手から中堅・中小チェーンに至るまで各社が出店戦略としてM&Aを活用しています。調剤薬局業界の最大手のアインホールディングス(東証1部)の調剤売上高は約2,300億円、マーケットシェアはおおよそ3%程度です。日本調剤・クラフト・クオール・総合メディカルの上位5社の売上高を合計してもシェア10%前半であり、大半の調剤薬局は1店舗から数店舗規模の小規模な調剤薬局(中小企業)という状況です。

創業社長が60代、70代に差し掛かり、事業承継問題も顕在化してくるため、今後は中小薬局のM&Aが加速し、さらに大手チェーン、中小・中堅チェーン薬局に統合、集約されていくものと考えられます。

流通業界から見れば、価格競争もなく、まだまだ恵まれた環境にあるといえる調剤薬局業界ですが、昨今では儲けすぎ批判(薬局バッシング)にもさらされたように(処方元次第というところではありますが、)他業種から見ると確かに安定しており、儲かっていると思います。

少子高齢化が進んでいく中で、毎年1兆円ずつ増えていく社会保障費(年金、医療費)は見直さざるを得ません。将来世代のためにも持続可能な社会保障制度の見直しが急務となっています。さらに団塊の世代が2025年前後に一斉に後期高齢者となるいわゆる「2025年問題」が社会保障・財政問題を更に深刻化することが確実となっています。それに向けて医療・介護の徹底した効率化(報酬の適正化)はまさに不可避といえます。

したがって、2018年、2020年と今後も更に踏み込んだ医療費抑制政策がとられていくものと考えられ、これまでのような恵まれた環境は維持されるとは思えません。大手チェーンは資金力もあり、人材の確保も出来ます。規模を拡大して成長を続け、システム投資を行い、店舗運営の効率化を図るとともに仕入れの際に医薬品卸への交渉力(バイイングパワー)を増すことでなんとか収益を確保していくでしょうが、果たして中小調剤薬局に打つ手はあるのでしょうか?

調剤薬局M&Aのマーケットでは明らかな二極化傾向が見られます。これまで同様に高額な営業権がつき評価をしてもらえる薬局と営業権があまりつかない低い評価になってしまう薬局に分かれてきています。これは将来的に収益が持続する可能性が高い薬局と持続させるのが難しい薬局とで差が出てくるためですが、今後ますます顕著になってくるものと思われます。

  • 高く評価される薬局

    • 売上規模が2~3億円
    • ドクターが高齢でない
      (60歳以上の場合は後継者の有無がポイント)。
    • 集中率が高くない。
    • 薬局の坪数が一定以上。
  • 評価されにくい薬局

    • 売上規模が1億円以下
    • ドクターが高齢、かつ後継者がいない。
    • 集中率が高い。
    • 大病院前で立地優位性が後順位
    • 薬局が狭い、など

実際に大手調剤薬局チェーンでは年々M&Aの検討対象になる薬局のハードルが上がってきています。大手ではM&Aの対象になる売上規模を1億5,000万円以上と設定している企業が非常に多くなっています。

しかしながら、幸いなことに調剤薬局のM&A市場は引き続きかわらず売り手市場なので、売上規模が1億円に満たない薬局、数千万円台の薬局であっても買い手は中堅チェーン、中小チェーン、独立開業希望の個人にいたるまで、十分に買い手はつく状況です。ただし、売上が数千万円台の薬局については、評価について慎重な見方をする企業が増えており、高い評価を望むのは難しい状況になってきています。

温故知新。1990年代に学ぶ薬局のM&A術とは

調剤薬局の出店状況はあきらかに過当競争になっています。街を歩いていても「処方せん受付」の看板がよく目に飛び込んできます。大病院の門前には調剤薬局がひしめいています。また、従来の門前薬局ではない面対応の駅ナカ、駅チカ店舗や商店街立地、コンビニ併設型といったタイプに加えて医療モール型薬局の出店も進んでいます。

ドラッグストア各社も調剤部門の強化に乗り出し、調剤併設店、調剤専門店の出店を加速しています。このような過当競争にもかかわらず、買い手が非常に多いという点においては、調剤薬局業界の現状は1990年代の食品スーパー業界と非常に似ていると感じます。

私は1998年から中小企業のM&A仲介の仕事をしていますが、最初に携わったのが食品スーパーの業界でした。首都圏、関東エリアを中心に数店舗を展開している中小スーパー、10数店舗の中堅スーパー、さらに数十店舗以上展開している上場企業など食品スーパーを中心に定期的に足を運んでは、M&Aの情報を提供し、業界動向や経営の悩みを聞かせて頂き、時にM&Aのニーズを掘り起こし、売り手と買い手の経営者同士をお引き合わせし、M&Aを推進していくという仕事をしていました。
当時を振り返ると10数店舗の中堅チェーン会社はもちろん2,3店舗の会社であっても、出店戦略の一環として同業他社(既存店)を積極的にM&A(買いたい)したいというニーズが強い時代でした。

皆、出店したい、買いたいという社長ばかり。客観的に見れば、明らかにオーバーストアで競争は激化し、年齢的にもそろそろ引退されたほうが良いのでは・・・と思う社長でも、なかなか売却の決断は下せず、後継者の問題も先延ばしにするだけで結果的にどんどん状況を悪化させていました。

90年代は現在ほどM&Aが社会に認知されておらず、業績の良いうちに会社を売却しよう、ハッピ-リタイアメントしようという先見の明を持つ社長はごくごく稀でした。そのためM&Aといえば財務状況が悪く、資金繰りが厳しいという救済型M&Aの相談が多かったのですが、非常に好立地で儲かっている店舗については1店舗でも1億円を超えるのれん代がついて売買されていました。

それから20年の年月が経った現在、生き残っている中小スーパーは、ざっと企業数にして当時の半分程度です。しかも残っている中小スーパーは決して競争を勝ち抜いた、という感じではありません。長期化するデフレ下で安い価格に慣れた消費者を相手に苦労しながら、同業だけでなく異業種のコンビニエンスストア、ドラッグストアとの競争、大手スーパーまでもがディスカウント業態を積極的に展開するなど、壮絶な価格競争を繰り広げており、その中で疲弊し、厳しさにじっと耐えながら、なんとか生きながらえているという感じなのです。

そういった変遷を経て、現在では売買される際の食品スーパーの店舗の値段も、のれん代はほとんど付かず、タダ同然ということも珍しくなくなってきました。普通のことをしていては業態として儲からなくなってしまったということに尽きると思うのですが、のれん代はゼロといった、当時では考えられない現象が実際に起きています。事業を取り巻く環境は時代とともにどんどん変化していくのです。

M&Aのベストなタイミングとは

話を調剤薬局に戻しますが、分業率は約70%超となり、徐々に頭打ちになってきています。大手チェーンの中にも出店の7割超がM&Aという会社も出てきています。新規出店に伴うリスクはかかりつけ薬局が定着してくると更に大きくなると考えられますから、数字が見えていて患者のついている既存薬局をM&Aで譲り受けたいというニーズは更に増えてくると思います。

ただし、M&Aの対象となる薬局のハードルは明らかに上がってきています。大手チェーンは特にその傾向が顕著ですが、今後の報酬改定や消費税アップ等の収益の下振れに耐え得る規模以上の薬局しか買わないというスタンスになってきています。

一方、既存店の処方箋枚数、技術料は徐々に減少してきている薬局が多くなっています。好条件が当たり前のように薬局の売買がなされている現在のような状態はずっと長く続くことはありません。将来は譲渡すること自体が難しくなるような時代になってしまうかもしれません。

M&Aを決断するタイミングというのは難しいものです。創業者はリスクを背負って独立し、必死に努力し、一生懸命頑張ってこられたわけです。できるだけ高く評価をして欲しい、そう思われるのが当然です。ならば、M&Aで売却するタイミングは、間違いなく今がまさに最高のタイミングであると私は断言します。百歩譲ってもあと数年が良い条件で譲渡できるチャンスだと確信しています。「調剤薬局バブル」と言っても過言ではない「超売り手市場」が、未来永却続くことはないのです。

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