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何故、中小企業の事業承継型M&Aが増えているのか?

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中小企業のM&Aは後継者不在に直面したオーナー経営者の後継者の問題を解決するための有力な選択肢として、今日では一般的に定着し、活発に行われています。
近年は、個人の人生観も大変に多様化してきています。20代、30代の若手経営者の中にはいったん事業を売却して、売却で得た資金で新たに興味を持った別の事業にチャレンジする経営者がいたり、40代、50代の中堅世代の経営者では会社を売却して得た資金で、海外でのロングステイを実現するといった悠々自適なセカンドライフを選択する経営者も出てきています。

60代、70代の世代交代期を迎えている世代の経営者は次世代に経営のバトンタッチをしなければならないものの、後継者の問題に直面している場合が多く、これが最も典型的で、相談の多い譲渡の理由となっています。

一方で閉塞感を打破し、新たな成長戦略、事業基盤強化のためにM&Aを積極的に活用する企業(買い手)も数多く存在しています。ゼロから自社で新たに立ち上げるよりも、既にその事業で実績を上げて顧客を獲得している既存事業を買収したほうが、リスクも少なく合理的ですし、結果として投資金額が抑えられるということがあります。
何より成長のための「時間を買う」という意味において、M&Aは有効な経営戦略となっています。

後継者問題を解決するため、創業者として作り上げてきた事業を相手としてふさわしいと思える第三者に譲渡し、企業を存続させ新たに発展させてもらう方法が、中小企業の事業承継型M&Aということになります。

会社の跡継ぎになる人、すなわち事業を託す相手としては①親族、②役員・社員、③第三者のいずれかということになるわけですが、中小企業の後継者の問題、事業承継問題について突き詰めて考えていくと、必ずいくつかの現実に直面することになります。
結果として、事業承継の検討を進めていくと、後継者がいない場合には③の第三者にM&Aで承継することが最も合理的な選択肢であることが判ってくるのです。

①息子など親族への事業承継

中小企業の場合、息子や娘婿など親族に事業を承継するのが一般的ですが、昨今では特に後継者不在に直面する企業が少なくありません。息子がいない、息子、娘婿などの候補者がいたとしても、「果たして本人が事業を継ぎたいと考えているか(親のやっていることと息子が自分でやりたいことが違うケース)」、「事業を継ぐ能力があるか(低成長経済、競争激化の環境下では、会社の舵取りが大変)」などを冷静に考える必要があります。

オーナー経営者の独りよがりな事業承継は、会社にとっても次世代の経営者にとっても不幸な結末を迎えることがあります。自分ひとりのための会社、親族だけのための会社ということで本当に良いのかということを、熟慮しなければなりません。

②優秀な役員、社員への事業承継

会社を役員、社員に会社を継がせようと考えているオーナー経営者もいらっしゃいます。その際には「社員に自社株を買い取るだけの資金的な裏付けがあるか」、「借入金の個人保証をする気持ちがあり、さらに金融機関が個人保証の変更を認めてくれるか」、「自身の長年の取引先をスムーズに承継できるか」などを検証しなければなりません。

業績が良い会社であればあるほど社員に会社の株式を買い取るだけの資金力があるケースはまれですし、業績が厳しい会社であれば多額の借入の連帯保証まで引き受けて社長になろうという役員、社員が出てくる可能性は低いのが現実だと思います。代表者変更とそれに伴う連帯保証人の変更を銀行が了承して個人保証を解除してくれるかどうか。残念ながら個人保証が外れなければ、連帯保証だけは残って経営は任せているという状況で、いつまでたっても安心することができません。

③M&A(第三者への事業承継)

創業者として作り上げてきた事業を相手としてふさわしいと思える第三者に譲り、次世代へ承継、発展させてもらう方法です。中小企業のM&Aは株式譲渡による方法で行われることが多いのですが、株主が変わる以外に見た目大きな変化を伴わないので、企業価値が毀損されずに事業を引き継いでもらうことが出来ます。

利益をきちんと計上している財務内容の良い会社であれば営業権(のれん代)に対する評価も期待できます。株式の譲渡に対する税金も20%(所得税15%、地方税5%)であり、退職金として一定金額を受け取ることにより、手取り金額もさらに増えます。またオーナー経営者の個人保証は買い手企業の代表者が肩代わることになるので、事業承継の大きな障害となっていた個人保証の問題もクリアでき、後継者問題を抜本的に解決することが出来ます。

④清算・廃業

事業承継できなければ会社を清算・廃業すると考えているオーナー経営者もいらっしゃいますが、実際には会社資産を全て売却しても借入金を全額返済できない中小企業が多いのが現実です。何より会社都合ということで社員を解雇しないといけません。厳しい経済環境の中で再就職もままならないでしょう。心情的にも長年一緒に働いてきた社員を自分の都合で、会社を清算することにしたから辞めてほしいとはなかなか言いにくいでしょうし、社員の理解も簡単には得られないでしょう。

また会社を清算・廃業する場合、借入金や買掛金などの負債を返済するために保有資産をすべて現金化しなければならないわけですが、商品在庫、設備、土地、建物は簿価どおり現金化することが極めて難しく、土地は相場で現金化は出来るのですが、それ以外は相当大幅に簿価からディスカウントされるため、清算が出来る会社というのは随分と財務内容に余裕のある会社に限られることになります。

清算を考えるのであれば、まず先にM&Aを考えてみて、どうしても難しいという結論に達した場合に清算を選択するという形が良いと思います。

このように中小企業が取り得る選択肢を一つ一つ検討し、事業承継問題を突き詰めて考えていった場合、後継者がいない場合には間違いなく、③M&A(第三者への事業承継)が最も合理的かつ有利な選択となります。良い相手さえ見つかればという前提が付くものの、事業承継問題の解決策としてのM&Aの活用は売り手・買い手・従業員・取引先それぞれがWIN-WINの関係でいられる極めて有効な手段といえるのです。
次に経営者がM&Aを考えるときにまず知りたいと思うのは、本当にM&Aができるのか(相手が見つかるかどうか)ということでしょう。

一般的には年商数億円規模で安定的に収益を上げている会社であれば、まず譲渡できると考えてよいでしょう。譲渡できる会社の条件を次にまとめてみました。

近年では高まる事業承継M&Aのニーズに応えるため、銀行、信用金庫などの地域金融機関もM&A支援業務に力をいれており、またM&A実績を積み上げ独自のネットワークとノウハウを蓄積しているM&A仲介会社も増えていますので、10年前では考えられないほどにM&A市場は整っています。
上手くM&Aの相手として理想的な会社(事業上双方にメリットのある企業)に株式を譲渡できれば、オーナー経営者にとって理想的な形でリタイアメントを実現することが可能になっています。

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